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Books -出版物-

純正律でハーモニーを

倍音─透明・快感となる謎と作り方

合唱を中心に活動を続けている美しい音楽を求めてやまない情熱の指揮者・音律研究家が語る経験とこだわりの集大成!

<純正律から生まれる音楽は何ものにも変え難い>
すばらしい演奏になる為に必要な数々の条件が、寸分違わずピタッとマッチングしたときだけに与えられる倍音律の世界 ── 純正律のパーフェクト・ハーモニーが与えてくれる感覚は、この上ない清らかな透明感であり、至福の恍惚感である。

著者:阿部 俊(アベシュン)

【プロフィール】
1939 年、神奈川県逗子市生まれ。指揮者・音律研究家・作編曲家。
1953 年、横須賀学院中学2年次より東清造氏に吹奏楽指揮法を師事。1954 年より岡安信雄氏に合唱指揮法・作曲法・音楽理論を師事。横須賀学院グリー・クラブ学生指揮者。同年、岡安信雄指揮のグリー・クラブにて横浜開港記念国際コンクール合唱の部第一位、全日本合唱連盟コンクール関東高校の部第三位入賞。1958 年、明治学院大学入学と同時に男声合唱団創設、指揮。音律研究と音律史研究に着手。1959 年、明治学院大学男声合唱団を指揮し、東京都合唱祭にて清水脩氏他から‘抜群の第一位’との評価。同年、清水脩氏に師事。1962 年、明治学院大学経済学部卒。1962〜1994 年、三井海上に勤務。この間、日本基督教団秋田高陽教会聖歌隊、同・中渋谷教会聖歌隊などを指揮。秋田時代に三浦修二氏に師事。明治学院白金チャペルおよび中渋谷教会オルガニストを経て、2007年「純正律ア・カペラ男声合唱団『シャンティ湘南』」及び2013年「純正律ア・カペラ女声合唱団『シャンティ・グレィス』」を設立、主宰。

【内容】
その瞬間は突然やってきた。いきなり自分の体が宙に浮き上がるような感じなのだ。一所懸命に歌っているのに自分の声が自分のものでなくなる。声は口元から30センチほど先のところで、ころころと転がるように鳴っている。信じられないだろうが透明な柔らかい球体に近い音の固まりが“見える”のだ。 (第1章【1】より)

【目次】

序 章 純正律でハーモニーを
1. ドとレの巾と、レとミの巾は同じか違うか?
2.純正律ハーモニーのメッセンジャー
3.純正律はアマのもの?—否、プロ中のプロのもの
4.アマの Professio (p15)
5.純正律でハーモニーを!
6.音楽教育に移動ド唱法を!
7.純正律普及への大いなる希望!

第一章 純正律パーフェクト・ハーモニーの感覚
1.突然与えられる恍惚感
2.人間技を超えた領域…神様からのご褒美
3.この上ない透明感—イノセント・トーン
4.純正律ハーモニーは臨死体験?
5.秩序と調和への畏怖(その1)—中世スコラ学者達
6.秩序と調和への畏怖(その2)—宇宙飛行士達
7.私の—畏怖の始まりのモニュメント—たった一人の音楽塾にて
8.畏怖の根源—創造の秩序と調和の主
9.他律的・自主的・現実体験 

第二章 純正律とは—音律史を俯瞰しながら
1.音階の発生
2.ピタゴラス音階と三分損益法
3.ポリフォニー以降は3度音程史
4.調律の工夫—クロマティック音、純正調オルガンなど
5.音楽で用いられる音
6.楽音について
7.倍音と自然倍音律
8.純正律とは
9.純正律音階と純正律ハーモニーの鍵
10.差音
11.純正律と他の音律との比較

第三章 平均律全盛の現代にて—すべてに歪む時代背景
1.平均律全盛となった謎—ヒズミに麻痺の時代
2. ピアノの普及の功罪—鉄の後押し?
3.現代人は平均律しか知らない—日本の特殊事情
4.オーディオ機器発達の功罪
5.録音技術発達の功罪
6.倍音—聴こえない音の効用—ハイパーソニック・エフェクト—脳研究の進歩より
7.純正律へ帰ろう

第四章 純正律ハーモニーの作りかた
1. アベ・メソッド
2.ヒズミの聴き分けかた
3.ヒズミは誰にでも感得できる
4.発声とピッチ—ノン・ビブラート唱法の徹底
5.ヒズミが出たらやり直し(その1)—ユニゾンを厳格に
6.ヒズミが出たらやり直し(その2)—パーフェクト・ユニゾンの徹底
7.無響の中でのヒズミ取り—代々木の森深く
8.骨導によるユニゾン合わせの厳格化
9.倍音による音程の決定—聴いて合わせること—倍音の聴き取り訓練法
10.音の協和—協和度とは?
11.初見から和声進行練習を—パート練習の是非
12.カデンツ練習について
13.カデンツ練習の留意点
14.純正律音階訓練
15.絶対的相対音程感覚こそ—絶対音感への疑問?
16.絶対音感とピッチについて
17.アタック、ステディ・ステイト、ディケイについて
18.「イッテコイ」苦手の全人類— “心理音程”
19.旋律的音階と和声的音階—半音苦手の日本人
20.シャープとフラットの歴史
21.シャープは低く、フラットは高く?
22. 聴いて合わせる極致—異名異音の連続進行

第五章 快い音楽作りのために…補完と補足
1.jnd(丁度可知差異)とリーメン(識閾)について
2.イキが合ってこそ
3.音楽性—表現力再考と補正力について。

第六章 創造の秩序と調和へ帰ろう

純正律でハーモニーを 表紙

価格(税込):2000円

発売日:2022年12月21日