死闘 監禁4536日からの生還
突然の拉致。どこかもわからない施錠だらけのマンションの一室。餓死寸前からの生還と、圧倒的不利な状況から全面勝訴を勝ち取った裁判の軌跡を今、初めて明らかにする自伝。
その日は突然訪れた。1995年9月11日、実家へ帰った日。31歳の私は婚約者と所帯をもつ約を交わしていたばかり。何とか脱出できないか。過ぎ去る歳月。焦燥感。天井に沿う木目模様を眺めながら想う「このまま一生ここで朽ちのか。孤独と絶望と飢餓。一日一回の慰めは夕方に微かに聞こえてくる“夕焼け小焼け”のメロディー。そのしらべを何千回と聞き果てた末、監禁から12年5か月たった2008年2月10日、突然の解放。私は44歳になっていた。
後藤徹 (著)
1963年生まれ。大学4年の時に実の兄により家庭連合(旧統一教会)に伝道される。31歳から44歳まで12年5カ月間、親族から監禁され、脱会屋・宮村峻氏らから脱会強要を受ける。監禁解放後、拉致監禁被害の深刻さと違法性を国内外で強く訴えると同時に、拉致監禁に関与した脱会屋らを民事提訴。控訴審で脱会屋らの不法行為が認定され2200万円の賠償命令が下される。2015年、最高裁判所にて全面勝訴判決が確定する。全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会の代表。